クチコミ情報
江戸木版画は、それぞれ絵師(下絵を描く)、彫師(木版に彫る)、摺師(和紙に摺る)の三者の共同作業により、ひとつの作品に仕上がります。摺師の松崎さんは、歌川(安藤)広重晩年の大作 「名所江戸百景」を復刻した江戸百景シリーズをはじめ、さまざまな名作を熟練の技で今に蘇らせていらっしゃいます。多色摺り版画の浮世絵である「錦絵」は、色鮮やかなイメージがありますが、使用されている顔料は、なんと墨・藍・黄・赤の4色だけ。この4色を、水で薄めたり混ぜ合わせたりして色の出ぐあいを計算し、独特の濃淡や色合いを表現しています。松崎さんは「バレンで力を込めて摺りあげるから、和紙にしっかりと色が落とし込まれる。だから、機械の印刷にはない質感や独特の力強さが出るんです」と笑顔で語ります。また、「摺師は”印刷の原点”。機械のない時代は、何だって人の手で摺ってきましたから」とも。それを物語るように、松崎さんの仕事は浮世絵だけに留まらず、千社札、さらには水彩画・油絵の原点をモチーフに版画におこした近代絵画まで、多岐にわたります。版画技術の普及・交流にも積極的で、成田にある体験博物館での実演を20年以上も続けているほか、海外では、インド、オーストラリアの美術館においても実演を行った松崎さん。優しく穏やかな表情で、コツコツと手仕事を続けられる姿が印象的でした。
江戸木版画は、それぞれ絵師(下絵を描く)、彫師(木版に彫る)、摺師(和紙に摺る)の三者の共同作業により、ひとつの作品に仕上がります。摺師の松崎さんは、歌川(安藤)広重晩年の大作 「名所江戸百景」を復刻した江戸百景シリーズをはじめ、さまざまな名作を熟練の技で今に蘇らせていらっしゃいます。多色摺り版画の浮世絵である「錦絵」は、色鮮やかなイメージがありますが、使用されている顔料は、なんと墨・藍・黄・赤の4色だけ。この4色を、水で薄めたり混ぜ合わせたりして色の出ぐあいを計算し、独特の濃淡や色合いを表現しています。松崎さんは「バレンで力を込めて摺りあげるから、和紙にしっかりと色が落とし込まれる。だから、機械の印刷にはない質感や独特の力強さが出るんです」と笑顔で語ります。また、「摺師は”印刷の原点”。機械のない時代は、何だって人の手で摺ってきましたから」とも。それを物語るように、松崎さんの仕事は浮世絵だけに留まらず、千社札、さらには水彩画・油絵の原点をモチーフに版画におこした近代絵画まで、多岐にわたります。版画技術の普及・交流にも積極的で、成田にある体験博物館での実演を20年以上も続けているほか、海外では、インド、オーストラリアの美術館においても実演を行った松崎さん。優しく穏やかな表情で、コツコツと手仕事を続けられる姿が印象的でした。