“やわらかい頭”で
大宮をもっと賑やかで、
もっと楽しめる街に

本記事は20周年企画の一環として、大宮地域で活躍するさまざまな方々に、あらためて大宮という街の魅力や目指したい未来についてお聞きするインタビューシリーズです。取材を受けられた人に、次の人をご紹介いただくというルールのもと、プレイヤーからプレイヤーへとバトンをつないでいきます。

5人目は、NACK5の番組『Good Luck!Morning!』でもおなじみ、ラジオパーソナリティのアロハ太朗さんです。アロハさんは「あらい太朗」名義で漫画家やさいたま市観光大使としても活躍。生まれ育った大宮の街の移り変わりや未来への想いを語っていただきました。

お話しを聞いた人

お名前

アロハ太朗さん

アロハ太朗・あらい太朗
漫画家/イラストレーター/似顔絵師/ポンポン版画家
さいたま市(旧大宮市)生まれ
共同通信社より世相漫画を配信(埼玉新聞は毎週日曜日に掲載)
盆栽応援キャラクター「ぼんサイくん」作者
さいたま商工会議所広報キャラクター「さいたにゃん」作者
FM NACK5「グッドラックモーニング」パーソナリティ
J:COMチャンネル地域情報番組MC
漫画文字「捩文字(もじもじ)流」家元
日本漫画家協会会員
北沢楽天顕彰会会長
さいたま観光大使
妻1人、子ども3人、犬2匹

「風情」と「賑やかさ」の両方を持つバランスのよい街

アロハさんは大宮のご出身で現在も大宮にお住まいだそうですね。

そうなんです。僕の実家は氷川神社のそばにありました。歴史と情緒が残る場所で、遊び場はもっぱら大宮公園。時々、仲町に住むいとこの家に行くと子どもながらに都会を感じていましたね。ああ、駅前は賑かだなって。今でも大宮はそういう風情が残る場所と賑やかな場所の両方があって、それがちょうどいいバランスで続いている街じゃないかな。

小・中・高校と大宮で過ごされましたが、印象に残る思い出を一つ教えてください。

ふと思い出したんだけど、大宮駅の西口が開発される前、ソニックシティーがある場所は埼玉県商工会館だったんです。木造の大きなホールがあってね。そこで僕の高校では毎年「3年生を送る会」が開かれて1年生と2年生が出し物をするんだけど、当時2年生だった僕の同級生がステージで歌を歌ったら「面白くない」と生卵を投げられて。当然その3年生は先生にめちゃくちゃ怒られてましたけど(笑)。古き良き時代の出来事とまとめちゃいけないけど、その光景を客席で見ていたのを思い出しました。くれぐれもみんなはマネしないように(笑)。

商工会館があった駅の西口は新幹線開業から大きく開発されたそうですね。

そう、それまでは東口が表で西口が裏のイメージ。大宮アルシェがある場所も原っぱでしたからね。急速に開発が進んで、途端に西口がピカピカに光り出したんです。おいおい、どうなってるんだって。それまで大宮駅と言えば東口、商店がひしめき合う賑やかなイメージだっただけに驚かされました。

今では東口と西口対向の綱引き大会(「大宮えきフェス by 大宮駅RENKETSU祭」)が街の風物詩になるくらい盛り上がるから駅周辺は本当に変わったなって。綱引き大会は昨年で8回目になるんですけど、ありがたいことに毎回司会で呼んでもらっています。“勝利チームは勝った分だけ大宮駅構内の領土が広がる”というルールも面白くて出場者も見る人も余計に力が入る。まさに街と駅が“連結”して一緒に盛り上がる、非常に楽しいイベントだと思います。

エキュートの登場で大宮の活気や発展が加速

2005年に開業したエキュート1号店が大宮店でした。

今ではエキュートがあることが当たり前になっちゃったけど、それまで僕は東口周辺のお店をよく利用していたので、なんとなく「街が変わるな」という感覚はありました。とはいえ、その登場は駅周辺のお店の人たちからして「お客さんが駅ナカに集中するかも……」って戦々恐々だったはず。しかも1号店で例を見ない試みですからね。

でも、エキュートができたことで駅周辺のお店も「駅ナカには負けないぞ!」って試行錯誤しながら新しい取り組みがどんどん生まれていって。相乗効果っていうのかな、駅ナカも駅周辺も一緒に盛り上がっていった印象があります。だからエキュートがあったとなかったとでは大宮の活気や発展の仕方も違った気がするんですよね。あれから20年も経つんですか。大宮にとってもすごく貴重な20年だったと思います。

最後に、これからの大宮の街に期待することを教えてください。

先ほど言ったように、この20年って大宮の新陳代謝みたいな時期だと思うんです。大宮生まれ・大宮育ちの僕としてはこの街に対する愛は強いけれど、とはいえ古いものを頑なに全て守るような凝り固まった考えもないので、これからも大宮はエキュートのみならず新しいものをたくさん取り入れて常に活気がある街になってほしいですね。綱引き大会もそうですし、年々大宮には“やわらかい頭”を持つ方がどんどん増えているように感じるので、そういう人たちの斬新でユニークな取り組みを街全体で受け入れられる体制が今のようにできていれば、さらに明るい未来が待っていと思います。僕も微力ながら、さらに大宮を盛り上げる一員になれたらうれしいですね。

アロハさん、ありがとうございました。では、次にインタビューする方のご指名をお願いします。

パレスホテル大宮の総料理長、毛塚智之さんを紹介します。僕が漫画家として食うや食わずの頃に出会い、そこから長年お世話になっている僕にとって間違いなく恩人の一人ですね。そのご縁でパレスホテルさんのお店が監修するカレーやお菓子、日本酒などのパッケージのイラストやロゴを担当させていただきました。度々料理もご馳走になって、それが泣きそうになるくらいどれも絶品なんです。「現代の名工」に選ばれるほど腕のある方ですし、並々ならない情熱も確か。障害者施設でお菓子作りも指導もされているので、大宮から発信する食と人の繋がりについて伺ってみてほしいですね。