本気の”大人の悪ふざけ”
が、大宮を熱くする。
大宮ガチャの仕掛け人に
聞く、大宮の魅力

本記事は20周年企画の一環として、大宮地域で活躍するさまざまな方々に、あらためて大宮という街の魅力や目指したい未来についてお聞きするインタビューシリーズです。取材を受けられた人に、次の人をご紹介いただくというルールのもと、プレイヤーからプレイヤーへとバトンをつないでいきます。

今回お話を伺ったのは、大宮アルシェ社長、中島祥雄さん。大宮駅周辺の人々を巻き込み、ユニークな取り組みを企てる仕掛け人でもあります。中島さんが手掛ける取り組みの数々と、大宮に対する偏愛ぶりを熱く語っていただきました。

お話しを聞いた人

お名前

中島祥雄さん

中島祥雄(大宮アルシェ 代表取締役社長)
1968年埼玉県さいたま市生まれ。さいたま市在住。慶應義塾大学卒業後、セゾングループに勤務。その後、大宮アルシェの開業準備に参加し、2014年に代表取締役に就任。地域活性化を目指す「TEAM大宮」の副会長を務め、FM NACK5番組審議委員、J:COMさいたま東日本番組審議委員としても活動中。大宮の発展と文化の向上に貢献している。

大宮ガチャ、大綱引き……遊び心と信頼関係が大宮をひとつにする

まずは、大宮アルシェについて教えてください。

大宮アルシェは、大宮駅西口に直結した複合商業施設です。1994年に開業し、おかげさまで30周年を迎えました。ファッションや雑貨店に加え、人気キャラクターショップやFM NACK5のサテライトスタジオはオープン当初から賑わい続けています。大宮には個性豊かな商業施設が数多くありますが、若者文化の発信地でありたいという意識は強いかもしれません。

大宮アルシェといえばご当地ガチャ「ガチャタマ」が大好評ですね。

ありがとうございます。ガチャタマは、コロナ禍でイベントなどが開催できなくなった2020年にスタートしました。安全に楽しめるエンターテイメントを提供したいという思いと、私たち自身が「こんなものがあったら欲しい」という遊び心から生まれた企画なんです。
発売したところSNSで話題となり、大宮ガチャタマは2024年11月に第6弾が出ました。また、噂が噂を呼び、今では全国15都市でご当地ガチャを展開しています。すべての都市を合わせて累計40万個売れているようです。

ポイントは「これはガチャにならないだろう」と思うような、ニッチなものを選ぶことです。たとえば、大宮の老舗喫茶店「伯爵邸」の看板や、かつて存在したボウリング場「ハタボウル」など、地元の人しか反応しないようなアイテムをあえて選んでいます。
お客さまからは「懐かしい!」「これぞ大宮!」といった共感の声はもちろん、「なんでこれを選んだの?」というツッコミの声も多いですね(笑)。でも、そういった反響も含めて、この企画を楽しんでいただけていると感じています。

地域活動の一環として「チーム大宮」という組織を立ち上げられたと伺いました。

かつて、大宮駅の東口と西口では商業施設のカラーなども異なり、日常的な協力関係が強いとは言えませんでした。しかし、2015年の大宮駅開業130周年を機に、地域全体で盛り上げようという機運が高まり、大宮区役所やさいたま市と協力して「大宮RENKETSU祭」というイベントを始めました。

せっかく東西、駅内外の垣根なくつながったのだから、130周年を終えた後も恒常的に情報連携をして地域を盛り上げていこう、ということでできたのが「チーム大宮(大宮駅周辺地区活性化協議会)」です。大宮駅の駅長を中心に主要施設や行政機関、今年からはエキュート大宮さんも加入して、業種を問わず地域のつながりが緩やかに広がっています。

チーム大宮がきっかけで生まれた大綱引き大会はご存知ですか?もともとライバル関係のようでもあった東口と西口の面々が「決着をつけよう」ということで、駅構内で綱引きを行うことに。最初は一回きりのつもりだったのですが、これが非常に盛り上がり、今では「大宮RENKETSU祭」の名物企画になりました。昨年開催した第8回は西口の勝利。勝った分だけ境界線が移動して、西口の領地が広がっています(笑)。

こうした洒落が通用するのも、お互いの信頼関係が醸成されてきたからこそだと思います。現在も、地域を巻き込んだ”大人の悪ふざけ”をチーム大宮で企んでいるので、楽しんでいただけたら嬉しいですね。

歴史と利便性が共存するカオスな街、伸びしろは無限大。

大宮という街の魅力についてお聞かせください。

大宮には、歴史的な魅力と現代的な利便性の両方が備わっています。およそ2500年の歴史を持つ由緒ある氷川神社と、新幹線が通る巨大ターミナルの大宮駅。これらが軸となって、四方八方から人が集まってくるのが大宮の特徴ですね。
それが結果として、良い意味で「カオスな街」という表現につながるのかもしれません。軸がしっかりしているからこそ、あらゆる人、あらゆる物を受け入れる懐の深さがある。その分、象徴的なものや突出したカラーがないという点においては、これだけ歴史ある街なのにまだ伸びしろがあるというのが面白いですよね。

最後に、20周年を迎えるエキュート大宮にメッセージをお願いします。

これからは、街全体の連携がさらに重要になると考えています。その意味でも、中心に位置するエキュートさんの存在意義は大きいと思いますね。私自身、普段からよく利用させていただいていますし、RENKETSU祭でもエキュートのスタッフの皆さんが新しいことに前向きにチャレンジされる姿を拝見しています。
チーム大宮の仲間として心強い存在ですし、今後もいろいろな仕掛けで大宮を盛り上げるべくご一緒できるのではないかと思っています。これからも、よろしくお願いいたします!

中島さん、ありがとうございました。では、次にインタビューする方のご指名をお願いします。

漫画家・イラストレーター、あらい太朗さんにお願いしたいと思います。NACK5では地元愛溢れるラジオパーソナリティ「アロハ太朗」さんとしてもお馴染みです。彼もまた、”悪ふざけ”を一緒に企んでくれる仲間なんです。大宮を語る上では欠かせない人物の一人だと思うので、地元・大宮に対する想いをぜひ伺ってみたいですね。